



初夏の折、真夏日のような猛暑の中で、
収穫に向けた、草刈り作業が行われました。

梅雨が明けた田園風景は鮮やかな緑に包まれています。
その中でも一際目に映る水田の美しさは格別です。
稲は初夏の力の中で順調に成長しており、
そのみずみずしい稲穂が満ちる水田は燃える海原のようです。

膝丈まで育った稲とその水田のまわりには、
それに負けないくらい青々とした草が生い茂っています。
先月草を刈り取った更地にはすでに新しい草が芽生えており、
夏の自然がもたらす力強さには驚嘆するばかりです。
コントラストが織りなすこの緑のグラデーションの世界の中で、
参加者全員が汗を流しながら一心不乱に草刈りをしました。

草を刈る人、藪を刈る人、
鎌をつかう人、草刈り機をつかう人、
ゆっくりと刈る人、とりつかれたように刈る人、
思い思いの草刈りを通じて、
稲作への理解が深められたのではないでしょうか。
草刈りとは、草を刈ることよりむしろ
草を刈る人自身の意識の変化にその意義を感じています。
草を刈る行為の中で自分の意識を丁寧にとらえ、
その意識の変化が自然と向き合う行為に意味を与えていくこと。
草を刈る過程に受け取ったインスピレーションが、
日々の生活に新しい意味を与えていくこと。
日常生活で失われた大切な意味を取り戻していきながら、
自然への理解を深めていくこの行為の中に、
次のライフスタイルを創造する可能性を感じるのです。

草刈りを終えた水田に心地よい風が吹きぬけると、
稲穂を波たたせる風は水田に豊かな表情を与え、
私たちに涼しさをもたらしてくれます。

新聞紙にくるまった鎌を取り出すと丁寧に磨かれており、
農家の皆さんへの感謝の気持ちが込み上げてきます。
今年も草刈りを出来たことも、
農家の皆さんの日々の丁寧な作業の積み重ねの中にこそ実現出来るのです。
次は、いよいよ収穫を迎えます。
文章/写真:松田創(センス・オブ・ネイチャー運営)